今まで、たくさんの会社を見てきましたが、どこもそうです。こんな共通点があります。
それは、
「人間関係がうまくいっていない」です。
例えば、部下は上司のいないところで、「あの上司、ほんと最悪。自分のことしか考えてない、最低の人やわ」なんて、上司の悪口を言ったり、
上司は上司で、「なんで、あいつは同じミスばかり繰り返すんや。全然人の話きいてないやつだ」なんて、部下の批判です。
こんな光景、周りにありませんか?
見ていても、いい気がしないですよね。
私もよく思います。「なんで、みんな仲良く、楽しく、協力して仕事をしようとしないんだろう」って。
もちろん、人それぞれ、性格も違いますし、育ってきた環境も違うので、自然体で接していたら、ぶつかるのは当然だと思います。
人はそれぞれ、価値観が違うんですよね。
では、解決できないんでしょうか?
いえ、そんなことはありません。
たった1つのことをやってみるだけで、大抵のケースは解決します。
それは、これです。
「話を聴く」
人間関係を改善するためにすべきこと
「えっ、それだけ??」って感じですか?
「それだけです」
じゃあ、逆に質問です。あなたは、相手の話を、その表面的な内容だけでなくて、
- その時の状況
- その時の気持ち
- なぜそうしたかの理由
を理解して、聴けていますか?
おそらく、理解できていたとしたら、人間関係でこじれてはいないでしょう。
それが、多くの人はできていないんですよね。
例えば、こんなケースがあります。
あなたが上司です。
部下から、「今日期限の仕事、終わりきりませんでした。明日までに頑張りますので、1日待ってもらえないでしょうか」って、報告があったとします。
あなたなら、なんて答えますか?
「結構な日数があったのに、なんでできてへんねん。夜中までかけてでも、今日中に仕上げてこい!」でしょうか?
「相変わらず、仕事が遅いなー。そんなんでは、この会社ではやっていけへんぞ!」でしょうか?
もしくは、あなたは優しい人なので、「そんなんや。じゃあ、明日までに頑張ってやってきてや」でしょうか?
正直、どれもイマイチです。
3つ目の優しい接し方でも、少し不十分です。
なぜなら、
相手のことを理解しようとしていないからです。
もし、この部下には、こんな事情があったとしたら、あなたはどう感じますか?
「その部下のお母さんは病気がちで、部下は家では看病したり、ご飯の支度を含めて家事をしながら、仕事している」
そんな一生懸命だけど、その状況を自分ではどうすることもできない部下に対して、「お前は仕事が遅いなー」って、言えますか?
言えないですよね。
これはちょっと、極端なケースかもしれませんが、多かれ少なかれ、人にはそれなりの理由があるんです。
あなたもそうじゃないですか?
その理由、きっちり聴いてあげてください。
聴いてもらえたというだけで、人は前向きな気持ちになります。
そして、その人のことを信頼するようになります。
このケースでは、こんな風に返答してはどうでしょうか?
「そうか、仕事終わらんかったんや。それって多分、理由があるんじゃない?最初に想定していなかった問題が発生したとか、○○さんの業務が忙し過ぎて、手が回りにくかったとか。」
理由や状況を聴いてください。
仮に、部下が怠慢だっただけだとしたら、こんな返答が返ってくるでしょう。
「いえいえ、私の仕事が遅いだけなんです。今からもう少し頑張って、明日には必ず完成させますので、もう少しだけ時間ください」って。
完全に反省し、前向きに対応しようとしていますよね。
話を聴くだけで、人間関係の改善につながるんです。
「いやー、話を聴くのって、難しいんだよね」って思われますか?
だとすると、あなたは会社の社長から、
「なんだか、最近大変そうだね。ちょっとそのことを話してくれないか?力になれることがあれば、対応するよ」
なんて言われたら、「この社長、わかってる!!」と思いますよね。
それだけのことなんです。